ファー生地の縫い方とコツ

 

ファー生地の縫い方ってどうすればいいんだろう。

難しそう。

という質問やご相談をよくいただきます。

確かに、綿の生地と比べると毛並みがあるのでコツが必要です。

きっとはじめてクラフトファー(フェイクファー、エコファー)で作ったモノは

「 大変。」だったかも知れませんが、試行錯誤して作った分、愛着がわいてしまうはずです。

慣れればファーの毛並みが縫い目を隠してくれるので、むしろ他の生地より

扱いやすく感じていただけるかも?

 

中野メリヤス工業流ではありますが、ファー生地を扱う際のコツと豆知識をお伝えいたします。

もっともっと、ハンドメイドでクラフトファーを身近に感じてもらえれば嬉しいです。

 

1.パターンのうつし方と裁断のポイント。

2.ミシンでファーを縫うときのミシン糸と針の番手。

3.ズレ防止の縫製のコツ。

 

1.パターンのうつし方と裁断のポイント

 

– パターンのうつし方 –

exterial(エクステリアル)クラフトファー(フェイクファー、エコファー)は

ほとんどの商品が裏(基布)が「黒」か「白」です。

裏が「白」の場合はチャコマーカーやカラーペン(油性)、B6のえんぴつ等で大丈夫です。

裏布が「黒」の場合はパターンをうつした際に線が見えづらいので、オススメは白の不透明なマーカーです。

ポスターカラーの白など、サッとなぞるだけで線がわかりやすく作業効率があがります。

ファー生地は厚みがあるので、あまり力を入れずにそっと線を描くのもコツのひとつです。

 

– 裁断のポイント-

上でうつしたパターンをハサミで裁断します。

生地の基布だけを切るようなイメージで、ハサミの先だけを使って「ちょきちょき」と切ります。

ちなみに、ロータリーカッターはあまりおススメできません。

その理由はファーを「ぶつぎり」してしまって掃除が大変&ファーが短くなってしまうので

縫い返した時のファーの長さが足りず、仕上がりが上手くいきません。

 

2.ミシンでファーを縫うときのミシン糸と針の番手

 

中野メリヤス工業の縫製現場では、「60番のミシン糸」「11番のミシン針」を使っています。

特別なものではなく、どちらも手芸店で置いていますよ。

フェイクファー生地がニットなので「レジロン」で縫ったほうが良い?(※ニット用のミシン糸)

というご質問がございましたが、弊社では使用しておらず社外の縫製専門の方に確認してみると

レジロンは普通はガードル(下着)を縫うときくらいしか使わない糸という事でした。

 

3.ズレ防止の縫製のコツ

 

ファー生地を縫うときのお困りごとのひとつ。

生地がズレてしまう。

少しのコツで解決できるんです!

「ミシン仮止め」で縫うとズレにくくきれいな仕上がりになりますよ。

2枚の生地を縫う際などに仮止めしたい位置に「ミシンで2針ほど往復するだけ」です。

仮止めの位置は「合印」の縫い代部分。

10~15センチおきくらいに仮止めしてから縫います。

カーブのあるティペット等は特ににズレやすいので、念入りに何か所か仮止めします。

ミシン仮止めも完璧ではないので、縫い進むにつれて若干ズレが生じてしまい仮止めした部分の生地が

たわんできます。この時、そのまま縫ってしまうとズレたままとなり仕上がりが美しくないです。

その場合は生地を少しひっぱり気味にし、たわみをとりながらゆっくりと縫い進めるとキレイに

縫うことができます。

上からみた図

ひっぱることでファー生地が伸び、ズレ(たわみ)が解消されます。

(ショップで扱うほとんどのファーが「メリヤス編み(ニット)」ですので引っ張ると少し伸びます。)

※強くひっぱりすぎると針が折れる事がございますので、ご注意ください。

その他にズレにくくするポイント。

・縫う速度をゆっくりめに。

・裏地にはニットなど、のびる生地をつかう事で多少の融通がききます。

・パターンに合印がなくてもご自身で合印を決めて入れる。

 ※時短の為、マチ針やクリップは使わずに縫います。「合印」を使うと素早く綺麗にできますよ。

 

 

ファー生地の縫い方の参考になりますように。

余った生地はボンボンにしてヘアボムやアクセサリー、ガーランドにしてもカワイイです。

 

是非、ファー生地に挑戦してみて下さいね!